こんにちは!現役公務員の母、コム母です。
この記事では、現役公務員に聞いた教養試験(基礎能力試験)の対策方法について解説しています。
この記事を読めば、
- 公務員試験における教養択一試験の重要性
- 教養試験の合格ボーダーと目標点
- 教養択一試験の試験別や科目別の配点
- 教養択一試験のどこに力を入れて勉強すべきか
- 捨て科目の作り方や捨てるべき具体的な科目名
がざっくりと理解できます!
教養試験は、ほとんどの公務員試験で出題される非常に重要な試験です。
この記事で教養択一試験の全体像をつかんで、勉強すべきポイントを間違えてしまわないようにしましょう!
さっそく内容を見ていくわよ!
教養試験(基礎能力試験)ってどんな試験?
教養択一試験って具体的にどんな内容の試験なの?
一言で表すのは難しいけど、
「大学の受験勉強+α」って感じかな
教養試験(基礎能力試験)では、
- 文章理解…現代文、英文
- 数的処理…数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈
- 人文科学…世界史、日本史、地理、思想、文芸・文化
- 自然科学…数学、物理、化学、生物、地学
- 社会科学…法律、政治、経済、社会
- 時事問題
が出題されます。
科目数が多いわね…
出題形式は、5択の中から1つの正解を選ぶ択一式です。
この教養試験は、一部の自治体を除き、ほとんどの試験種で出題され、その多くは全問必須解答であることが多いです。
なお、文章理解と数的処理を合わせて「一般知能」分野、それ以外の科目を「一般知識」分野と呼びます。
どの科目も、大学受験の内容よりは易しい問題が出題されるので、大学受験のときに勉強した科目に関しては、そこまで勉強に苦労しないはずです。
教養試験の重要度を確認しよう!
教養試験は、多くの試験で出題される重要な科目ですが、各試験の配点から、より具体的に重要度を確認しておきましょう▽

受験先によって、配点が全然ちがうのね
一次試験の合否にしか利用しない自治体もあるよ
公務員試験も人物重視にシフトしていると言われていますが、国の試験では、いまだに20%程度は配点として組み込まれています。
反対に地方では、一次試験の合否にしか利用しない「リセット方式」が採用されることも増えていますが、教養択一で他の受験生より多く点を取らないと二次試験に進めないことに変わりはありません。
その意味で、教養試験は決して無視できる存在ではありません。
教養試験対策が要らないのは一部の自治体だけだよ
教養試験の目標点は?⇒大体6割が合格ライン
気になる合格ボーダーラインですが、どの試験種でも、大体6割程度が合格ボーダーラインとされています。
案外少ない点数でいいのね
確かにそうなんだけど、ちょっと注意点があるんだ
教養試験では、確かに6割取れれば概ね合格できるのですが、だからと言って、目標点を6割に設定してはいけません。
公務員試験は水物です。
出題内容によっては、当日得点できる点数も上下します。
6割をギリギリとれるという状態では、
- いつも取れるはずの6割が得点できずに、一次試験を突破できなかった…
- 一次試験は突破できたのに、総合点で他の受験生に負けてしまった…
ということが、十分あり得ます。
確実に合格することを目指すなら、合格ボーダーの6割より少し高い7割を目標値に設定しておくのが無難です。
少しくらい失敗しても合格できる状態にしておこう!
科目別の出題数から勉強すべきポイントを知ろう!
教養試験が大切なのはわかったけど、科目数が多くて大変そうね…
実は、出題数が科目ごとに大きく偏ってるよ
ってことは、特に重要な科目があるってこと?
そのとおり!数的処理なんかはその代表例だよ
教養試験では、各科目が同じ割合で出題されるわけではなく、出題数が科目ごとに大きく偏っています。
実際に、科目別出題数を確認してみましょう▽


見ていただいて分かるように、文章理解と数的処理(一般知能分野)に出題数が集中しています。
その割合は、なんと約59.7%!(上の試験種を受験した場合)
公務員試験では大体6~7割が合格ボーダーとされているため、文章理解と数的処理を避けて合格することは不可能だと言えます。
一般知能を捨てた人で合格した人は見たことないかな
一般知能分野だけ勉強すればいいわけではない
じゃあ、一般知能中心に勉強すればいいのね!
いや、実は一般知能ばかり対策して受かるのも難しいよ
ここまでの説明を聞いた皆さんにとっては、出題数が多い一般知能だけ勉強していてはいけない理由がいまいちピンとこないと思います。
その理由は、数的処理特有の得点のしにくさにあります。
数的処理には、
- 公式に当てはめて一発で解けるような問題は少ない。
- 過去問をこなしたからと言って、同じ問題が出ることはまずない。(類題はあるが、まったく同じ解き方ではない)
- パズルのように、一度ハマってしまうとなかなか抜け出せずに時間を多く消費してしまう。
という性質があるので、解けるかどうかはその問題と、解いているときのひらめき次第です。
つまり、数的処理は得点がまったく安定しない科目なのです。
得点が安定しにくい数的処理が大部分を占める教養試験では、「知っていれば解ける一般知識分野をいかに落とさないか」が実は重要となります。
もちろん数的処理が得意な人は例外だよ
捨て科目は作らない方がいい?⇒科目ごと捨てるのは危険
公務員受験界隈でよく話題に上がる「捨て科目」ですが、科目ごと捨ててしまうのはとても危険です。
なぜなら、
- 捨て科目に設定した科目は、簡単な問題であっても毎回失点することが確定する。
- 失点した分をどこかで取り返す必要があり、多くの場合、出題数が圧倒的に多い数的処理で取り返す必要がある。
ので、捨て科目を作った分、多くの受験生が苦手とする数的処理の得点率を上げる必要が出てきてしまうからです。
数的処理で安定的に得点できるならまだしも、数的処理が苦手なのに捨て科目まで作ってしまうと、合格はかなり絶望的になってしまいます。
なんだ、結局全部勉強しないといけないのね…
でも、勉強内容を絞る方法はあるよ
ここまで読んで「すべて勉強する自信がないな…」と思われた方、安心してください。
それでも勉強量を減らす方法はあります。
それは、科目自体を捨てるのではなく、1つの科目の中を部分的に捨てるという方法です。
具体的に言うと、
- 出題頻度の高いテーマだけに絞って勉強する!
- 難易度の低い問題だけ解けるように準備しておく!
という戦法です。
これであれば、勉強量を減らしつつ、失点のリスクを減らすことができます。
また、他の受験生が得点している科目で同じように得点できるようになるので、極端に差がついてしまうことも減ります。
ただし、この方法をとる場合でも、出題数が明らかに少ない「数学」や「思想」に関しては時間がなければ科目ごと捨ててしまうのは全然大丈夫です。
科目ごとの勉強内容をざっくり知ろう!
ここまで教養試験の重要度やどのように勉強していくべきかの全体像を確認しました。
ここからは、1つ1つの科目にフォーカスを当てて、より具体的な対策方法を考えていきましょう!
ささっと確認しちゃいましょ!
文章理解の出題内容と対策方法

文章理解で出題される問題の多くは、少し長めの文章を読解し、選択肢から正しい内容を選ぶというものです。
文章理解は、時間さえかければ誰でも得点できる科目です。
逆に言えば、周りの受験生が得点している科目なので、対策を怠ってしまうと差が開いてしまう科目でもあります。
具体的な対策方法としては、
- 絶対に捨ててはダメ!
- 毎日1問でも問題を解いて、しっかりと問題に慣れておく!
- 英文については、単語さえ分かれば案外なんとかなるので、大学受験で利用した単語帳くらいは毎日目を通しておく!
ということを意識して取り組みましょう!
英語が苦手でセンター試験で5割しか取れなかったけど
練習しているうちに得点できるようになったよ
文章理解の重要度や対策方法について、もっと詳しく知りたい場合は、次の記事がおすすめです。

僕が受験生仲間に教えたくなかった解き方も紹介してるよ!
数的処理の出題内容と対策方法

数的処理は、教養択一試験でもっとも主題数が多く、非常に重要な科目です。
同時に、難易度や安定のしにくさから、多くの受験生を悩ます難関科目でもあります。
ここが一番の山場ね!!
数的処理は、おもに次の4つの科目で構成されています。
- 数的推理:速度や確率、図形の計算問題などの計算中心の問題
- 判断推理:与えられた条件をもとに答えを導き出す問題
- 空間把握:空間把握能力を問われる問題
- 資料解釈:与えられた図表と合致する選択肢を選ぶ問題
具体的な対策方法としては、
- 苦手かもしれないけど、捨てたら合格できなくなると肝に銘じる!
- 毎日1問でも解く習慣をつけておく!
- 公式や解法を覚えて解ける問題については、必ずできるようにしておく!
- 判断推理など類題が多い分野は、自分なりの解法パターンを身に付けておく!
です。
数的処理がどうしても苦手な方は、一般知識問題をより確実に解けるようにするなど、教養試験全体で6~7割程度取れる戦略を練る必要があります。
数的処理の重要度や対策方法について、もっと詳しく知りたい場合は、次の記事がおすすめです▽

数的処理が苦手な僕なりの戦略も紹介してるよ!
人文科学の出題内容と対策方法

日本史や世界史など、人文科学は文系出身ならお馴染みの科目です。
出題範囲は、
- 日本史
- 世界史
- 地理
- 思想
- 文芸・文学
ですが、
- 「文芸・文学」は、東京都くらいでしか出題されないので捨ててしまってOK。
- 「思想」は、国の試験では出題されるが、地方の試験ではあまり出題されない。(内容が簡単なので時間があればしておく。)
ので、実質は「日本史・世界史・地理」の勉強がメインになります。
勉強方法としては、
- 頻出のテーマを中心に勉強をする!
- 歴史の場合は、ストーリーを押さえるだけでも正誤判断ができるので流れを押さえる!(年号は必要なし)
と、ある程度勉強範囲を絞って勉強をしていきましょう。
人文科学の重要度や対策方法について、もっと詳しく知りたい場合は、こちらの記事がおすすめです▽

人文科学の捨て科目についても解説してるよ!
自然科学の出題内容と対策方法

自然科学は、物理や化学など、文系出身者にはあまり馴染みのない科目が出題されます。
具体的には、
- 数学
- 物理
- 化学
- 生物
- 地学
が出題されますが、数学に関しては出題される試験種がかなり限られているので、科目ごと捨ててしまっても大丈夫です。
勉強方法としては、
- 基本的に科目ごと捨てるのは危険なので、暗記で解ける問題を中心に勉強する!
- 計算がいる部分は捨ててもOK!(公式を覚えるだけで取れる問題は勉強している方が良い)
というルールで対策していきましょう!
自然科学の重要度や対策方法について、詳しく知りたい場合は、次の記事がおすすめです▽

自然科学の捨て科目についても解説してるよ!
社会科学の出題内容と対策方法

社会科学は、大学受験でもあまりメジャーではない科目なので、文系・理系問わず馴染みのない方が多いのではないでしょうか。
出題範囲は、
- 法律
- 政治
- 経済
- 社会
ですが、対策は一切不要です。
え、対策しなくていいの?
専門試験で勉強する範囲と完全に被ってるからね
社会科学は、専門択一試験で勉強する内容を易しくした形で出題されるので、そちらの勉強をしっかりやっていれば特段の対策は不要です。
逆に専門試験対策をしていない人は、差がついてしまうのでしっかり対策しておきましょう!
社会科学の重要度や対策方法について、より詳しく知りたい場合はこちらの記事がオススメです▽

具体的にどの専門科目から出題されるのか解説してるよ!
時事問題の出題内容と対策方法

時事問題は、近年出題割合が増えており、各試験で3~5問程度出題されます。
この時事問題はタイムリーな話題を扱うために、ドンピシャな過去問がなく、対策がしにくい側面があります。
アウトプットしながら学習できないのも対策しにくい要因だよ
対策としては、
- 国の白書や統計情報をまとめたテキストを勉強する。(市販本・予備校本どちらでもOK)
- 日ごろから、国内外のニュースを見て知識を得ておく。
です。
教養対策記事のまとめ!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事の内容をまとめると、
- 教養試験はとても重要な試験!
- 目標点は、合格ボーダーより少し高い7割に設定しておく!
- 一般知能分野は捨てちゃダメ!
- 一般知識分野で得点を安定させる!
- 捨てるときは科目ごと捨てるのではなく、科目の中を部分的に捨てる!
です。
教養択一試験は科目数が多いですが、ポイントの絞り方さえ間違えなければ、少ない労力で、しっかりと得点することが可能です。
適切な対策をして、しっかりと合格できる基礎力を付けていきましょう!
一緒に頑張っていきましょうね!